
「雪山を始めたいけど、道具をそろえるのが予算的に厳しい・・・」
この記事は、これから雪山登山に挑戦したい初心者や、できるだけコストを抑えて装備を揃えたい方に向けたものです。
「中古ピッケル」の選び方や注意点、人気ブランドや購入先の比較、さらに売却や買い替えのコツまで、雪山デビューを応援するための実践的な情報を網羅しています。
この記事を読めば、中古ピッケル選びで失敗しないための知識がしっかり身につきます。
ピッケルの基本知識
雪山登山では、ピッケルは命を守るための必須装備です。
滑落時のセルフアレスティ(滑落停止)や、急斜面でのバランス維持、雪面の掘削など多彩な役割を担います。
- 滑落停止
- 急斜面でのバランス確保
- 雪面の掘削やステップ作り
- テント設営時や危険個所でのアンカー
ピッケルの構成について
ピッケルは、雪山登山において最も基本的な安全装備の一つです。
その形状は、シャフト(柄)、ピック(刃)、アッズ(くわ状の部分)、リーシュ(ストラップ・別購入)などから構成されており、用途や登山スタイルによって選ぶべきタイプが異なります。
ピッケルの使い方を正しく理解し、状況に応じて適切に使い分けることが、雪山での安全確保につながります。

- シャフト:握りやすさや長さが重要。雪山ハイキング、一般ルートの場合はストレートタイプでよい。
- ピック:雪や氷への刺す部分
- アッズ(ブレード):ピックの反対側のとがっていないくわのような部分。雪面の掘削や整地に使用
- ヘッド:ピッケルのピックからアッズまでの部分の総称。
- 石突(スピッツェ):シャフトの末端。地面に刺す部分。
- リーシュ:ピッケルを落とさないようにするためのストラップ(別売りのことがほとんど)。
シャフトの形状(ストレート、ベントなど)、アッズがハンマーになっているものなど様々な形状がありますが、はじめはハイキングや歩きのみの登山になると思うので、ストレートシャフトのものを選択しましょう。
ピッケルの基本的な選び方
中古を吟味する前に、基本的なピッケルの選び方について確認しておきましょう。
なお、ここでは「初心者が、緩傾斜で登攀がない歩行のみの雪山登山をする場合に使用する」ことを前提とした選び方を説明します。
長さ・サイズの選び方
一般的に、縦走や歩行メインなら身長マイナス110cmが目安。または、ヘッドを持って腕を下に真っ直ぐ降ろした際に、くるぶしの上に石突が来るくらいの長さがベストです。
初心者の方が初めに行く雪山は、歩行がメインだと思いますので、これより短めのものはあまりおすすめしません。短いものは、登攀や急な登りの多い山で使用するものだからです。
| 用途 | おすすめ長さ | 対象 |
|---|---|---|
| 縦走・歩行 | 60~70cm | 一般男性・女性 |
| 急斜面・登攀 | 50~60cm | 小柄な方・女性 |

157センチの私は、ストレートシャフトのピッケルは55センチのもの使用していますが、歩行だけの登山でも、ちょっとした登攀でも使いやすいです。
シャフト形状の選び方
ピッケルにはストレートシャフトとカーブシャフトがあり、用途によって選び方が異なります。
初めての雪山歩きや縦走向きは、ストレートシャフトです。カーブは登攀やアイスクライミング向きです。
素材の選び方
ピッケルの素材にはアルミ、スチール、カーボンなどがあり、重量や耐久性、価格に違いがあります。多くの製品は、雪面に突き刺す部分(ヘッド、石突)は丈夫なステンレスやクロモリを使用し、シャフト部分の素材を軽量にするためアルミを使用・・・のように、ヘッド、石突部分とシャフトの素材を使い分けています。
重さが必要になるのは氷などに打ち込む場面ですので、価格と軽さを考えると、初心者の方は「シャフトがアルミで、ヘッドと石突はステンレスやクロモリ」のものが、選択肢も広くておすすめ。
中古ピッケルを選んでみよう!
上記のピッケルの基礎知識を前提に、中古ピッケルを選んでみましょう。
中古品は、新品に比べて価格が大幅に安く、初めての雪山登山や予算を抑えたい方にとって魅力的な選択肢です。
一方で、使用歴や劣化具合によっては安全性に不安が残る場合もあります。
中古品のメリット・デメリットをしっかり理解し、自分に合った選び方をすることが大切です。
コストを抑えられる
人気ブランドも手が届きやすい
状態によっては寿命が短い場合も
安全性の見極めが必要
新品と中古品の価格・状態・寿命を比較
新品で購入した場合と、中古品を比較したところ、大体価格は定価の半額程度になっています。
販売価格と、商品の状態が見合っているかをよく考えて購入しましょう。
| 項目 | 新品 | 中古 |
|---|---|---|
| 価格 | 高い(1~2万円以上) | 安い(5千円~1万円強程度) |
| 状態 | 未使用・保証あり | 使用歴あり・個体差大・保証なし |
| 寿命 | 長い(10年以上) | ものによる(数年~) |
中古ピッケルを選ぶ際に知っておきたい注意点
中古ピッケルを選ぶ際は、見た目だけでなく、実際に手に取って各部の状態を細かくチェックすることが重要です。
もしネットで購入する場合は、上記のポイントや、気になる箇所の写真などで詳しい状態を問い合わせすると良いでしょう。
返品の条件も確認しておくと良いですね。
失敗しない!中古ピッケルの選び方
いよいよ中古のピッケルをお店で選んでみましょう。購入方法は、ネット販売、中古用品店の2通りです。それぞれで購入するメリットデメリットを挙げてみます。
ネット通販は品揃えや価格比較がしやすく、掘り出し物が見つかることも多いですが、実物を確認できないリスクがあります。
一方、実店舗ではスタッフのアドバイスを受けながら、実際に手に取って状態を確認できるため、初心者には特におすすめです。
購入後のアフターサービスや返品対応もチェックしましょう。
| 購入先 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| ネット通販 | 品揃え豊富・価格比較しやすい | 実物確認不可・返品対応要確認 |
| 実店舗 | 状態確認・スタッフ相談可 | 品揃えに限りあり 価格がやや高め |
中古ピッケル購入の際に見るべきポイント
中古ピッケルは使用歴や使用頻度、過去のメンテナンス状態が不明なため、購入の際不安が多いかと思いますが、しっかりチェックすれば十分安全に使えます。
以下の状態は安全性に直結するため、購入時は必ず確認しましょう。
- ピックやシャフトの深い傷・曲がりがないか
- ヘッドのガタつきや緩みがないか
- 錆や腐食がひどくないか
- ピック、石突部分の刃は丸まっていないか
- リーシュがついているものは、切れそうになっていないか
- サイズが自分に合っているか
ピックや石突の丸まりは、自分で削ってみたり、リーシュの劣化は、買い替えで対応できます。面倒ですが、購入すれば、いずれ自分でメンテナンスする必要があるので、挑戦してみてもいいですね。
おすすめの中古用品店
選び方が分かったらさっそく売られている商品を探してみましょう。
以下のお店は、山道具やアウトドア専門店なので、品ぞろえの豊富さや品質も良く、おすすめです。
トレファクスポーツ
トレファクスポーツは、全国に展開するアウトドア・スポーツ用品の専門店です。
店舗は、東京都内をはじめ、各地に点在しています。
ネット販売もありますが、出品しているものの方が少ないので、実店舗で探すのが良いです。
特に、専門知識を持ったスタッフが常駐しているため、商品の選定やアドバイスを受けやすいのが特徴です。

ギア系は他のお店より若干安めな気が。
ギアもウェアも豊富で、掘り出し物多し〇
セカンドギア
セカンドギアは、特に、キャンプ用品や登山用品に強みを持っており、質の高い商品が揃っています。
店舗は、調布市に1店舗のみ、ネット販売もしています。
また、定期的にセールを行っているようです。
UZD
UZD(ユーズド)は、キャンプ・アウトドア用品を専門に扱う店舗です。
特に、豊富な品揃えが魅力で、国内屈指の取扱数を誇ります。
実店舗は持たず、オンラインでの販売を行っています。

登山用品⇒スノーギアで検索すると、販売中のピッケルが1発で出てくるので探しやすい!
マウンガ
マウンガは、登山用品に特化した中古専門店です。ここが一番専門的かも・・。
青梅市に2店舗のほか、奥多摩、吉祥寺に店舗を展開しています。ネット販売あり。
お店は小さいですが、商品が狭い空間にギュッと詰まっていて、価格も比較的安く買えます。

こんなものまで?というような小物も、ガチャガチャと売っているので、探すのが楽しいお店です。
まとめ
ピッケル選びで失敗しないためには、焦らずじっくり比較検討することが大切です。
安さだけで選ばず、状態や安全基準を満たしているかをしっかりとチェックしましょう。
また、購入後も定期的なメンテナンスや状態確認を行い、安全に長く使えるようにしましょう。
コスパが良い、安全なギアが見つかると良いですね!

コメント